ストレッチの効果って?柔軟性・姿勢の改善・ケガ予防、さらに高めるためのポイント

ストレッチ

気軽にどこでも誰でも取り組めるストレッチ。
筋トレしたりランニングしたり…はハードルが高く感じても、ストレッチならやってみようかな、という気にさせられるのではないでしょうか。

むしろ、普段から何気なく無意識のうちにやっているかもしれませんね。

ストレッチは運動経験がない方でも誰でも気軽にできる運動の1つ。
どんな効果を期待できるのか、ストレッチの効果を高めるうえでどんなことに気をつけたらいいのか、解説していきます。

ストレッチの効果

運動とは、大きく3つの種類に分類されます。

筋力トレーニング、有酸素運動、そしてストレッチ。

ストレッチには、筋力トレーニングや有酸素運動では得られない効果が期待できます。
ですので、バランスのよい身体づくりを目指す上で欠かせない運動と言えるでしょう。

ストレッチをすることでどんな効果が望めるのか、まずはそこから見ていきましょう。

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柔軟性の向上

ストレッチの効果としてまず思い浮かべるのは、柔軟性を高めること。
筋肉が柔らかくしなやかに伸び縮みすることによって、その先に得られる効果がいくつも期待できます。

突然ですが、体力と聞くと、どんなことを思い浮かべるでしょう。
階段を駆け上がってもハアハアしない、子供と1日中遊んであげられる、残業続きでも疲れ知らず…、などが普段の日常に必要な体力として思い浮かべるでしょうか。

意外なようですが、柔軟性も体力の1つなのです。
体力とは、筋力や持久力、バランス感覚や機敏さ、そして柔軟性で構成されています。
学生時代にやった体力テストの内容を思い出してもらえると、「ああそういえば」とピンとくるのではないでしょうか。

ということは、本当の意味で「体力がある」というのは、柔軟性の高さも要素のうちの1つということが言えそうです。

体力を維持するためには柔軟性も必要であり、ストレッチには柔軟性を高める効果があります。
そして柔軟性が上がることによって期待できるその先の効果について、もう少し掘り下げてみましょう。

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関節の可動域を広げる

ストレッチで柔軟性を高めることにより、関節の可動域を広げることができます。

運動不足や生活習慣などで筋肉が固まってしまいその柔軟性が失われてしまうと、関節の可動域が狭くなります。

人間の動作は筋肉が縮んだり伸びたりすることで成立していますが、どこかの筋肉が縮んで力を発揮している時、その反対側の筋肉(拮抗筋)は伸びています。

例えば腕の前側の筋肉(力こぶ部分)の動きを想像してみましょう。
腕の前側が力を出して縮むとき、腕の裏側の筋肉(二の腕部分)は伸びています。

ですが、この腕の裏の筋肉に柔軟性がなく、固まっていたらどうでしょう。
腕の前側の筋肉は、充分に力を発揮できなさそうですね。

柔軟性の低下は、関節の可動域が狭くなることで1つ1つの動作も小さくなってしまい、運動やスポーツ時のパフォーマンス低下につながります。
運動時だけでなく日常生活での動作自体も省エネモードになり、太りやすい体になることにつながってしまいます。

ケガ(傷害・障害)の予防

ストレッチで柔軟性を高めることにより、ケガの予防にもつながります。

ストレッチ不足によるケガとは、傷害と障害、2つの種類があり、似ているようで少し違うので分けて解説いたします。

筋肉が固まったまま運動を始めてしまうことで、ケガ(傷害)につながりそうなのは容易に想像がつくでしょう。
急激な筋肉の伸び縮みに筋肉自体が耐えられなかったり、またそれによって思うように関節が動かせず転んだりひねったりしそうですね。

ストレッチ不足による傷害とは、肉離れやぎっくり腰、捻挫や骨折など、強い力で衝撃が加わった瞬間に起こるケガのことをいいます。

もう1つのケガとは、長い年月の中でかかった運動負荷による障害です。
慢性腰痛や疲労骨折、関節痛などがこれに当たります。動作のくせやアンバランスによる使いすぎなどで引き起こされるケガのことを障害といいます。

これら2つのケガは、柔軟性の低下だけが原因で起こるものではありませんが要因のうちの1つになり得ますので、運動時には予防のためのストレッチは欠かせません。

もちろん、運動時に限らず、日常生活でも同じことが言えます。

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血行促進・疲労回復

ストレッチで筋肉を柔らかくしなやかに動かせるようになることで、血行促進・疲労回復効果も期待できます。

血液は血管を通って身体中に送られますが、その血液循環は、筋肉の伸び縮みする動きによってもたらされているのです。

筋肉の動きは、縮むのと伸びるのがセットで欠かせないのは前述の通り。
筋肉が柔らかくなることで伸び縮みがしやすくなり、その結果血管を通る血液がスムーズに運ばれるのです。
これををミルキングアクションといい、この作用が最も働くのがふくらはぎです。

ふくらはぎは第二の心臓、と言われるのを聞いたことがないでしょうか。
心臓から1番遠く、身体の1番下にあるふくらはぎは、血液循環が滞り、老廃物がたまってむくみやすい部位。
そこで活躍するのが筋肉です。
筋肉の収縮がポンプのように働き、血液を心臓に押し戻す役割を担っているのです。

血液は酸素や栄養を運ぶ役目がありますから、血液循環がよくなることで疲労回復・冷えやむくみの解消、代謝アップなどの効果も同時に得ることができるのです。

姿勢の改善

長時間同じ姿勢でいると、同じ筋肉に負担が集中してしまい特定の部位が凝り固まってしまいます。
それを長期間続けることで、固くなった筋肉はより動きが悪く、その部位に接する筋肉にも影響を及ぼし、ゆがみを生じさせます。

いつも特定のある部位は緊張しっぱなし、ある部位は筋力不足でゆるみっぱなし、というアンバランスな状態が出来上がります。
それが姿勢にあらわれたのが、猫背や巻き肩、スマホ首や反り腰です。

ストレッチで筋肉の緊張を緩め、ゆがみやねじれ、アンバランスを整え、姿勢の改善につなげることができます。

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リラクゼーション

ストレッチは、心身ともにリラックスするのにも有効です。
心拍数を下げ、副交感神経を優位に働かせ、心も体も緊張から解放してくれるでしょう。
その結果、ストレス解消、良質な睡眠へとつながります。

運動前だけでなく、仕事の合間や寝る前に行うのもよさそうですね。

ストレッチする上での注意点

場所と時間を選ばずできるストレッチですが、行う上で注意点がいくつかあります。

ストレッチにはいくつか種類がありますが、今回は1番ベーシックなスタティック(静的)ストレッチでの注意点を解説します。
ストレッチを行う際にはぜひ参考にしてください。

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リラックスして行う

体の力を抜いてリラックスして行いましょう。
ムリに伸ばそうとせず、心地よさを感じるくらいのところまで。痛みを感じるほど伸ばしてしまうと、逆に筋肉が緊張してしまいますので、筋肉に少し張りを感じるくらいのところで構いません。

呼吸を止めない

呼吸することで筋肉は弛緩しリラックスします。
吸って準備して、吐きながら伸ばすとより深く伸ばすことができるでしょう。

反動を使わない

スタティックストレッチの場合は反動を使わず、時間をかけて伸ばします。
反動を使うことで限界以上に伸ばしてしまいケガにつながるおそれがあります。

また、筋肉は急激に伸ばされると伸張反射という逆の作用が働くことがあります。10秒から20秒、気持ちのいいところで止まりましょう。

運動前に行うストレッチは身体を温めてから行う

運動前のストレッチは、筋肉の温度を上げてから行うのがより効果的。
ウォーキングや自転車など、軽めの有酸素運動で身体を温めてからストレッチを行ってください。

まとめ

今回はストレッチの効果について解説してきました。

ストレッチには色んな効果があり、体の健康だけでなく、心の健康へも導いてくれる運動と言えそうですね。

加齢とともに筋肉はその柔軟性を失っていきますので、やってやりすぎることはないはずです。
ぜひ、ストレッチを毎日の習慣にして心身ともに健康に過ごしていただけたら幸いです。