たんぱく質をより多く摂りたいなら、植物性と動物性の食品の同時摂取がおすすめ
たんぱく質の多い食品というと、みなさんはどんなものを想像されますか?
筋肉トレーニングをされている方やダイエットを意識されている方は、サプリメントとしてのプロテインを思い浮かべる方も多いかもしれません。プロテインは、飲料タイプやバータイプなど、手軽に効率良くたんぱく質が摂れるので便利ですよね。
でも、わたしたちの体は、たんぱく質のほかにも、生きていくために必要な栄養素がたくさんあります。できるなら、日々の食事・食品からたんぱく質を多く摂れる方が好ましいですよね。また、たんぱく質の量だけでなく、吸収を気にされている方も多いと思います。
そこで、たんぱく質を多く含み、吸収にも良い食事についてお伝えします。
たんぱく質を多く含む食品は?
食べ物に含まれるたんぱく質は、植物性と動物性に分けられます。
植物性たんぱく質は、主に大豆製品に多く、抗酸化作用のあるポリフェノールや整腸作用のある食物繊維も含まれています。
でも、例えば、鶏むね肉100gに含まれるたんぱく質が23.3gに対して、煮大豆100gに含まれるたんぱく質が14.8gというように、植物性の食品に含まれるたんぱく質の量は少なめです。そのため、同じだけのたんぱく質を摂ろうと思ったときに、たくさん食べなければいけません。
一方、動物性たんぱく質は、肉・魚・卵・乳製品などに多く、必須アミノ酸(※)のバランスが良く、含有量も多いのが特徴です。ただし消化に時間がかかるため、胃腸が弱い人は消化しづらいのが難点です。
※必須アミノ酸:体内でたんぱく質を構成している20種類のアミノ酸のうち、9種類は体内で合成できないため、食べ物から摂らなければなりません。これを必須アミノ酸といいます。
植物性と動物性を一緒に摂るのが◎
植物性のたんぱく質と動物性のたんぱく質は、それぞれにメリット・デメリットがあります。
同時に摂ることで互いに補い合い、バランス良く栄養を取り込むことができます。どちらか一方に偏らず、両方のたんぱく質を積極的に取り入れていきましょう。
たんぱく質を摂取するポイント
・朝・昼・夕でまんべんなく食べる
・肉・魚は脂肪の少ない部位を選び、調理法を工夫する
・たんぱく質の吸収を良くする食品をプラスする
たんぱく質の摂取量は、忙しい朝食は少なく、夕食に多くなりがちですよね。でも筋肉量を増やす効果を得るためには、3食で偏らないように摂取することが大切です。
中でも朝食は、寝ている間に空腹が長く続いたあとなので重要です。朝食でたんぱく質をしっかり摂ると、体内時計が正常に動きやすくなり、筋肉量の増加にも影響することが、最近の研究でわかってきています。
また、動物性たんぱく質は、脂肪(特に飽和脂肪酸)が多く、過剰摂取は血液中のコレステロールを増加させる恐れがあるので、できるだけ脂身の少ない部位を使います。
さらに、調理するときに余計な油を追加しないよう、炒める、揚げるなどの調理法は避けて、焼く、煮る、蒸すなどの調理法を選びましょう。
そして、たんぱく質をより多く摂るためには、消化吸収のされやすさも大事です。たんぱく質を体に取り込みやすくする食品を一緒に摂りましょう。
1つは、たんぱく質を分解する酵素が豊富な食品です。パイナップル、キウイ、イチジク、生姜、舞茸、ヨーグルト、麹などがあります。
次に、たんぱく質の代謝を高める働きをするビタミンB6を多く含む食品です。にんにく、酒かす、黒砂糖、抹茶、ブロッコリー、ごまなどがあります。
おすすめの高たんぱく質メニュー
動物性と植物性のたんぱく質を組み合わせた高たんぱく質のメニューと、主な材料に含まれるたんぱく質の目安量(1人分)を紹介します。
手軽で朝食にもおすすめ
「えびと卵のヨーグルト塩麹サラダ」(たんぱく質:22.2g)
主な材料:
ブロッコリー5切れ(50g)
しばえび8尾(60g)
ゆで卵1個(55g)
プレーンヨーグルト大さじ3(45g)
レタスなどお好みの野菜
前日にブロッコリーと卵を茹でておくと楽です。えびは酒を振りレンジで加熱します(500Wで約2分30秒)。プレーンヨーグルトに塩麹とレモン汁を加えたソースは、酸味と旨味のバランスが良く食欲をそそります。大きめの深皿に盛り付けて、ごはんやパンものせるとバランス良い食事になります。
「しらす入り納豆オムレツ」(たんぱく質:16.7g)
主な材料:
納豆1パック(40g)
卵1個(55g)
しらす大1(5g)
卵液に豆乳を加えたり、とろけるチーズを加えると、よりたんぱく質量をアップできます。いりごまを加えると、風味や食感が良くなり、カルシウムも摂取できておすすめです。ごはんだけでなく、パンにも合う1品です。
ボリューム満点ワンプレートメニュー
「半熟卵のとろろ納豆マグロ丼」(たんぱく質:32.7g)
主な材料:
納豆1パック(40g)
マグロの刺し身9切れ(80g)
半熟卵1個(55g)
すりおろした長芋
ごはん
納豆はたんぱく質を分解する酵素もあり、マグロはたんぱく質の代謝に欠かせないビタミンB6が豊富な食材です。
「サバ缶と厚揚げのトマトカレー」(たんぱく質:26.9g)
主な材料:
厚揚げ1/2枚(65g)
サバ缶1/2缶(汁ごと95g)
にんにく
玉ねぎ
人参
ピーマンなどお好みの野菜
カレー粉
トマト缶
ごはん
材料をフライパンで煮込むだけです。サッと作れるので、トレーニング後や疲れた日にも調理しやすい1品です。
メインもサブも一緒に摂れるおかず
「豆乳ソースのマグロサラダ」(たんぱく質:34.6g)
主な材料:
生食用のマグロ9切れ(100g)
半熟卵1個(55g)
豆乳1/4カップ(50g)
リーフレタスやトマトなどの野菜
豆乳をベースにオリーブオイル、酢に、塩麹を加えたソースをかけることで、たんぱく質の分解を促進し、体に取り込みやすくするのがポイントです。
「かじきの豆乳チーズ焼き」(たんぱく質:22.4g)
主な材料:
かじき1切れ(70g)
豆乳1/4カップ(50g)
とろけるチーズふたつかみ(20g)
ブロッコリー5切れ(50g)
塩コショウを振ったかじきの切り身をフライパンで蒸し焼きにして、最後にとろけるチーズと豆乳を混ぜたソースを溶かしながらからめます。
空いたスペースでブロッコリーを一緒に加熱でき、たんぱく質の代謝を高めるビタミンB6も補えるメニューです。
間食におすすめ
「小魚ピーナッツ」(たんぱく質:9.5g)
主な材料:
小魚(煮干し)10g(ふたつかみくらい)6.5g
ピーナッツ(落花生)約20粒
小魚もピーナッツも高たんぱく食品です。そのままでも食べられますが、軽く炒ると香りが立ち、歯ごたえも良くなります。
「抹茶の豆乳プリン」(たんぱく質:6.4g)
主な材料:
豆乳1/2カップ(100g)
粉ゼラチン1/2袋(2.5g)
抹茶小さじ1(2g)
お好みの甘味
電子レンジで作れるので、冷やし固める時間を除けば10分以内に作れます。ゼラチンも抹茶もたんぱく質の含有量が多いので、スイーツにおすすめの1品です。
まとめ
いかがでしたか。
たんぱく質は、植物性と動物性どちらの食品も一緒に摂ることで、バランス良く、効率的に体に取り込むことができます。忙しい朝でも食べやすいメニューを選び、3食に分けて食べるようにして、高たんぱく質の食事を実践していきましょう。